かつて地中海を支配した世界遺産の街

9世紀にビザンチン支配下にあったヴェネツィアだったが、事実上統治者”ドージェ(総督)”が共和国の自治の確立をしていました。12世紀にはコンスタンチノープルを陥落させ地中海の大部分がヴェネツィアの支配下に入りました。そして14世紀末の平和条約により東方とヨーロッパの交易がはじまり、15世紀にヴェネツィアは富を得て全盛期を迎えました。観光のメッカサンマルコ広場のあるヴェネツィア本島の動脈ともいえる大運河沿いには、この時代に建築された多くの美しい宮殿などが立ち並び、同時にルネッサンス文化が花開きました。ヴェネツィア派の画家、ティツィアーノやティントレット、ジョルジョーネらの名画家が活躍したものこの時期です。118のラグーナ(潟)からなるヴェネツィアには150もの運河が巡り、400を越える橋が街を結んでおり、車の通らない街は舟やゴンドラ、ヴァポレットなどが大きな移動の日常の交通手段となっています。大運河にかかるメインのリアルト橋から眺める光景は絵画のように美しく、ゆっくりと行き交うゴンドラは実に街のシンボル。街はまた様々な重要なイヴェント開催地でもあり、2月に開かれるカーニヴァルでは老若男女がそれぞれ17世紀の社交場の衣装をまとい、独特な仮面をつけてサンマルコ広場へ集まり街はいっそう華やかになります。広場から潟向こうに細長く伸びるリド島では毎年9月にヴェネツィア映画祭の大イヴェントが開かれ世界中のVIPが訪れます。2年ごとに開催される芸術祭”ヴェネツィア・ビエンナーレ”は世界中の有能アーティストの大展覧会。また小島のブラーノ島では美しいレースの製作、ムラーノ島では有名なヴェネツィアングラスの生産が行われています。たくさんの魅力にあふれたヴェネツィア観光は一生忘れられない思い出となるでしょう。

ヴェネツィア上空から見た模様

中心を流れる市の大動脈、大運河の先にはサンマルコ広場が見える。下方の太い運河はジュデッカ運河。

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